オランダ代表との激闘を2-2のドローで終え、次戦のチュニジア代表戦に注目が集まる日本代表。初戦でスウェーデンに1-5と大敗したチュニジアが相手だけに、世間では「勝てる相手」「ここで勝ち点3を積み上げたい」という楽観的なムードも漂っています。
しかし、ワールドカップ(W杯)の歴史を振り返ると、日本代表にはどうしても拭えない「魔の第2戦」というジンクスが存在します。初戦の結果が良くても悪くても、なぜか第2戦では毎回のように大苦戦を強いられてきた歴史があるのです。
過去のW杯が証明する「第2戦の苦戦の歴史」
日本代表のワールドカップでの戦いを振り返ると、第2戦には毎回のように苦しい展開が待ち受けていました。もちろん相手の実力や大会ごとの状況は異なりますが、結果だけでなく試合内容を見ても簡単に勝点3を獲得できたケースは多くありません。
| 大会 | 初戦の結果 | 第2戦の相手と結果 | 試合の様相 |
| 2006年 ドイツ | 豪州に逆転負け(1-3) | クロアチア(0-0) | PK献上の大ピンチ(川口能活がセーブ)。決定機を活かせずドロー。 |
| 2010年 南アフリカ | カメルーンに勝利(1-0) | オランダ(0-1) | 徹底した守備で粘るも、後半に一瞬の隙を突かれて失点し敗戦。 |
| 2014年 ブラジル | コートジボワールに逆転負け(1-2) | ギリシャ(0-0) | 前半に相手が退場し10人になったが、引いた守備を崩せず痛恨のドロー。 |
| 2018年 ロシア | コロンビアに勝利(2-1) | セネガル(2-2) | 2度リードされる苦しい展開。乾貴士、本田圭佑のゴールで追いつく激戦。 |
| 2022年 カタール | ドイツに歴史的逆転勝利(2-1) | コスタリカ(0-1) | 初戦大敗の相手に主導権を握るも、一瞬のミスから失点。最大の油断。 |
記憶に新しい2022年カタール大会では、初戦で強豪ドイツを破る大金星を挙げながら、第2戦で初戦7失点の大敗を喫していたコスタリカに0-1で敗戦。世界中を驚かせた直後に、文字通り天国から地獄へと突き落とされました。
唯一、2002年日韓大会のロシア戦(1-0でW杯初勝利)という成功例はあるものの、それ以外のほぼすべての大会で、日本代表は第2戦で勝点3を綺麗に持ち帰ることに失敗しているのです。

なぜ第2戦でいつも苦戦するのか? 3つの理由

偶然の連続にも見える第2戦の苦戦ですが、その背景には共通する要因がいくつも存在しています。ワールドカップ特有の短期決戦では、わずかなコンディションの差や心理面の変化が勝敗を大きく左右します。
初戦後のコンディション調整の難しさ
W杯の初戦は、どの国も4年間ですべてのエネルギーを注ぎ込んで挑みます。特に前節のオランダ戦のような強豪国との激しい攻守の切り替え(トランジション)を伴う試合は、選手の精神と肉体を限界まで削ります。中3日という過密スケジュールの中で、初戦と同等の集中力を維持するのは極めて困難です。
対戦相手の「なりふり構わない姿勢」
今回対戦するチュニジアは、初戦でスウェーデンに大敗し、大会直前にエルヴェ・ルナール監督が就任したばかりのチームです。これ以上負ければグループステージ敗退がほぼ決まるため、日本戦には死に物狂いで勝点をもぎ取りに来ます。美しさ捨てて泥臭く守り、ラフなプレーを交えてでも日本のリズムを崩しにくる相手は、戦術以上に戦いにくい存在です。
「勝てるかもしれない」という心理的な隙
「相手は初戦で大敗している」「オランダと引き分けた自分たちなら勝てるはず」という周囲の空気や、選手たちの無意識の緩みが、W杯という舞台では命取りになります。過去のギリシャ戦(2014年)やコスタリカ戦(2022年)の失敗は、まさにこの心理的な罠にハマった典型例でした。
チュニジア戦、歴史の目撃者になろう
今回のチュニジア戦は、まさに2022年コスタリカ戦とシチュエーションが酷似しています。日本代表がこれまでの「魔のジンクス」を過去のものとし、本当に世界トップクラスの強豪へと脱皮したのか。それとも、またしても第2戦の罠に捕まってしまうのか。
キックオフ直後から、選手たちの走力、そして球際の激しさに注目してください。このタフな第2戦を乗り越えてこそ、その先にある新しい景色が見えてくるはずです。

