東京都町田市を拠点とするFC町田ゼルビアは、地域リーグから一歩ずつ成長を重ね、2023年についにJ1昇格を果たしました。黒田剛監督のもとで堅守と規律を武器に戦い、昇格初年度から上位に食い込む快進撃を見せたチームです。2025年は、その勢いを継続しながら、より多様な戦い方を模索するシーズンとなっています。ここでは、FC町田ゼルビアの歴史、2025年の注目選手、ホームの町田GIONスタジアムの魅力を紹介します。
FC町田ゼルビアの歴史
Embed from Getty Images(FC町田ゼルビア 2016年)
FC町田ゼルビアは、町田市で活動を始めた少年サッカーチームが母体です。その後、1989年には社会人チーム「FC町田トップ」が創設され、地域リーグで実績を積みながら着実に力をつけていきました。2009年にJリーグ準加盟クラブとして認められ、2012年には念願のJ2昇格を果たします。しかし、初年度は苦戦が続き、22位でJFL(当時)に降格。厳しい時期を経て、2014年にはJ3での戦いをスタートし、翌2015年には入れ替え戦を制してJ2復帰を実現しました。
その後も安定した戦績を重ね、2023年シーズンには黒田剛監督を迎えてクラブ史上初のJ2優勝とJ1昇格を達成しました。昇格初年度の2024年、町田は堅い守備と、ロングスローやセットプレーを武器にJ1で躍進。昇格初年度ながら3位という快挙を成し遂げました。地域リーグから一歩ずつ階段を上り続けたクラブは、ついに日本のトップリーグで戦うまでに成長しています。
2025年の戦術と注目選手
Embed from Getty Images(相馬勇紀選手)
2025年のFC町田ゼルビアは、黒田監督のもとで「堅守速攻」のスタイルを維持しながらも、ボール保持型への移行を進めています。基本フォーメーションは3-4-2-1を採用し、守備ブロックをコンパクトに保ちながら、ウイングバックを高い位置に押し上げて攻撃を仕掛ける形が特徴です。
守備では、前線からの組織的なプレッシングとセカンドボール奪取の意識が徹底されており、守備の安定感がチーム全体のリズムを生み出しています。攻撃面では、ロングスローやセットプレーでの強みを生かしつつ、中央でのパス交換やサイドからの崩しも増えてきました。2025年の注目選手は以下の3人です。
谷 晃生(GK)
日本代表としても活躍する、GK谷晃生選手は、187cmの長身を生かしたシュートストップが最大の武器です。ビルドアップにも積極的に関わり、ロングフィードからのチャンスメイクにも貢献します。2024年の加入以降、数多くのピンチを防ぎ、クラブの守備を支えてきました。2025年もその安定感でチームを後方から統率し、試合の流れを整える役割を担っています。
望月 ヘンリー海輝(DF)
DF望月 ヘンリー海輝選手は、192cmの体格を誇るディフェンダーで、空中戦の強さと守備範囲の広さが特徴です。サイドバックや、ウイングバックとしてプレーしサイドからのクロスでチャンスを演出します。2025年はセットプレーでの得点機会にも期待がかかる存在で、攻守に渡り、町田の中心として成長を続けています。
相馬 勇紀(FW)
FW相馬勇紀選手は、俊敏なドリブルと正確なクロスでチャンスを生み出すアタッカーです。166cmと小柄ながらも、鋭い動き出しと判断の速さで相手守備陣を翻弄します。2025年シーズンはサイドアタッカーとして攻撃の起点を担い、得点だけでなくチャンスメイクでもチームに貢献しています。
町田GIONスタジアム完全ガイド:座席・アクセス・雰囲気

FC町田ゼルビアのホームスタジアムは、東京都町田市野津田町にある町田GIONスタジアムです。収容人数は約15,300人で、J1クラブの中では中規模のスタジアムです。
アクセスは、町田駅・鶴川駅・淵野辺駅などからのバス利用が便利です。試合日は臨時バスも運行されますが、混雑が予想されるため、時間に余裕をもって出発するのが安心です。駐車場はありますが、数が限られており公共交通機関の利用が推奨されています。
スタンド構造はシンプルで、どの席からもピッチが見やすい設計です。初めて観戦する方にはバックスタンド上段が特におすすめです。全体を見渡せるため、チームの戦術的な動きを理解しやすく、戦況を落ち着いて楽しめます。ゴール裏では熱のこもった応援が繰り広げられ、迫力ある雰囲気の中で観戦したい方に適しています。
ナイトゲームでは照明がスタンドを包み、芝の緑とともに幻想的な雰囲気を作り出します。試合の終盤、町田が得意とするロングスローやセットプレーの場面では、観客の声援がひとつになり、スタジアム全体が大きな盛り上がりを見せます。観戦時には、そうした緊張感ある時間帯にも注目すると、町田のサッカーの魅力をより深く味わうことができます。
J1での挑戦を続けるFC町田ゼルビアのこれから
Embed from Getty ImagesFC町田ゼルビアは、地域リーグ時代から着実にステップを積み重ね、ついにJ1の舞台で安定した力を示すクラブへと成長しました。黒田監督のもとで築かれた守備の組織力と、攻撃における柔軟性の両立は、2025年のチームの大きなテーマです。
これまでの経験で得た強みを生かしながら、次の段階として「主導権を握る試合運び」を目指しています。昇格後も挑戦を止めないその姿勢は、チームの一貫した歩みを物語っています。2025年シーズンの戦いを経て、さらに進化した町田ゼルビアがどんな姿を見せるのか、注目が集まります。

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