広島の街を象徴する存在として歩みを続けるサンフレッチェ広島。Jリーグ創設当初からの長い歴史を持ち、2010年代には3度のJ1制覇を果たしました。2024年には新スタジアム「エディオンピースウイング広島」が完成し、クラブの環境は大きく進化。2025年シーズンは、伝統の堅守と切り替えの速さを生かしつつ、攻撃面の多様化にも挑戦しています。本記事では、サンフレッチェ広島の歴史、戦術と注目選手、スタジアムの魅力を紹介し、クラブの現在地と今後の展望をまとめます。
サンフレッチェ広島の歴史
Embed from Getty Images（サンフレッチェ広島:1993年）
サンフレッチェ広島の歴史は1938年に創部された、「東洋工業サッカー部」にさかのぼります。1981年にはマツダサッカー部へ名称を変更、企業チームとして活動を続け、1992年に発足したJリーグクラブ「サンフレッチェ広島」へと受け継がれます。クラブ名の「サンフレッチェ」は「三（サン）」とイタリア語で矢を意味する「フレッチェ」を組み合わせています。
サンフレッチェ広島は、Jリーグ開幕当初からの「オリジナル10」として戦うも、リーグ制覇には時間を要しました。しかし、2012年に悲願の初優勝を果たすと、2010年代で通算3度のJ1制覇を達成。以降は上位常連として、地域に根ざした運営とアカデミーからの育成力で安定した競争力を保っています。2024年には、新スタジアムが完成し、クラブは新たな歴史を刻み始めています。
2025年の戦術と注目選手
Embed from Getty Images（川辺駿選手）
2025年のサンフレッチェ広島は、3バックを軸にした戦術で、攻守のバランスを高めたスタイルを打ち出しています。後方からのビルドアップを重視し、GKを含めた守備陣のパスワークで相手のプレスを回避。中盤ではセンターハーフが攻撃を組み立て、前線はスピードと個の力を兼ね備えたアタッカー陣が攻撃を牽引します。
攻撃面では、ウイングバックが高い位置を取ることで幅を確保し、中央は流動的なポジショニングで崩しを狙う形が基本です。守備では前線からのプレスを徹底し、ボールを奪った瞬間にFWの選手を走らせて速攻に転じる展開も多く見られます。3バックの安定感をベースにしながらも、局面での柔軟性を持ち合わせる点が2025年の特徴です。2025年のサンフレッチェ広島の注目選手は以下の3人です。
大迫敬介（GK)
GK大迫敬介選手は、日本代表にも選ばれる守護神。鋭い反応を生かしたシュートストップに加え、正確なフィードで攻撃の起点となります。ビルドアップ参加はチームの戦術を支える重要な役割です。
川辺駿（MF)
地元広島出身のMF川辺駿選手は、広島ユースからトップチームに昇格した、まさにクラブの生え抜き選手です。高い運動量とボール奪取力に加え、攻撃参加でも違いを生み出せる万能型。守備の安定と攻撃の推進力を両立させています。スイスやベルギーなど、欧州クラブでプレーしたこともあり、経験豊富な川辺選手は広島に欠かせない存在です。
ジャーメイン良（FW)
FWジャーメイン良選手は、相手の背後を突くスピードが武器のストライカー。サイドでも中央でも機能し、カウンター局面で抜群の迫力を発揮します。2025年は日本代表に初選出され、7月に行われたEAFF E-1サッカー選手権では、3試合で5得点の活躍。決定力の高さは広島の得点源として期待されています。
エディオンピースウイング広島の魅力
サンフレッチェ広島のホームは、2024年に完成した「エディオンピースウイング広島」です。広島市の中心部に位置し、アクセスの良さが大きな特徴です。JR新白島駅から徒歩15分、広島バスセンターからは徒歩10分程度と、市中心部から徒歩でも向かえる立地は、これまでの郊外型スタジアムに比べて格段に利用しやすくなりました。
収容人数は約28,000人。客席とピッチの距離が非常に近く、選手のプレーを間近で体感できる臨場感は国内随一と評価されています。照明や音響設備も最新鋭で、試合演出はもちろん地域イベントの開催にも対応可能です。スタジアム周辺には商業施設や飲食店が集まり、試合観戦を含めた街全体でのエンターテインメント体験を楽しめます。
また、バリアフリー設計やユニバーサルシートの導入など、誰もが快適に観戦できる工夫が盛り込まれている点も注目されます。エディオンピースウイング広島は、クラブのシンボルであると同時に、市民の誇りとなる新たな拠点です。
広島発、アジアへ羽ばたく未来へ
Embed from Getty Imagesサンフレッチェ広島は、伝統的な結束力を軸にしながら、常に進化を続けてきました。国内3度のリーグ制覇という実績を基盤に、アカデミーの育成とトップチームの融合によって競争力を維持している点が強みです。2024年に完成した新スタジアムは、クラブの発展を支える拠点であり、街全体を巻き込む象徴的な存在でもあります。
2025年シーズンにおいても、広島は国内タイトルへの挑戦とアジアでの飛躍を見据えています。環境面の充実と戦術的な柔軟性を背景に、クラブは地域に根差した姿勢を崩さず、より高いステージを目指して進んでいくでしょう。
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