かつてJ1の舞台で戦った経験を持つRB大宮アルディージャは、クラブの体制刷新を経て新たなスタートを切りました。2023年にはJ2最下位となり、クラブ史上初めてJ3へ降格。一方で、2024年には経営権がレッドブル・グループへ譲渡され、クラブ名を「RB大宮アルディージャ」と改めました。経営体制とチーム体制の両面で再構築が進み、2025年シーズンは、J1昇格を目指して戦っています。この記事では、RB大宮アルディージャの歴史や注目選手、ホームスタジアムの魅力、J1昇格争いに向けた展望などをお伝えします。
RB大宮アルディージャの歩み
Embed from Getty ImagesRB大宮アルディージャの前身は、1969年に創設されたNTT関東サッカー部です。その後、1998年にチーム名を「大宮アルディージャ」へ変更し、翌1999年にJリーグ(J2)へ参入しました。2004年にはJ1昇格を果たし、2005年から2014年までの10シーズンにわたりトップリーグで戦い続けました。
しかし、2014年にJ2へ降格。翌2015年にはJ2優勝で1年でのJ1復帰を果たしましたが、2017年シーズン終了後に再びJ2へ降格しました。その後、2020年以降はJ2で中位から下位争いが続き、クラブとしての方向転換が求められる状況にありました。
2023年、チームは苦戦の末にJ2最下位となり、初めてJ3へ降格しました。その後、クラブは経営体制の見直しを進め、2024年には経営権がレッドブル・グループへ譲渡されました。これによりクラブ名は「RB大宮アルディージャ」と改称され、経営体制とチーム体制が一新されました。2025年シーズンは、再出発後の節目として昇格を狙うシーズンです。クラブは過去の経験を生かし終盤戦に向けて、J1復帰を目標に戦っています。
2025年の戦術と注目選手
Embed from Getty Images(市原吏音選手)
2025年シーズンのRB大宮アルディージャは、自陣から丁寧にボールをつなぐビルドアップを意識した戦い方を見せています。後方からショートパスで組み立て、相手のプレスを受け流しながら前線へ展開するのが特徴です。攻撃では、左サイドを経由した崩しが比較的多く見られ、左サイドバックや中盤の選手を起点としたクロスやドリブル突破が攻撃の形となっています。また、守備面ではラインコントロールを重視し、ブロックを保ちながら相手の攻撃を受け止める構成が取られています。ここでは、チームを支える3人の注目選手を紹介します。
市川吏音(DF)
20歳のDF市川吏音選手は、187センチの長身を生かした空中戦と対人守備の強さが持ち味です。ビルドアップにも積極的に関わり、正確なロングフィードで攻撃の起点にもなっています。カバーリングの判断力も高く、最終ラインを統率するディフェンスリーダーとして成長を続けています。2025年シーズンは副キャプテンとしてチームをまとめる役割も担います。世代別日本代表での活躍も評価されており、今後の成長が期待される若手選手です。
泉柊椰(MF)
MF泉柊椰選手は、ドリブルを武器とする攻撃的MFです。1対1での仕掛けに強みを持ち、左サイドを中心に積極的にチャンスを作り出しています。クロスやパスの精度にも安定感があり、背後を突く動きやタイミングの良さも光ります。2025年はここまで、4ゴール2アシスト(11月10日時点)を記録。大宮の攻撃を支える重要な存在となっています。
豊川雄太(FW)
FW豊川雄太選手は、今季から背番号10を背負うストライカーです。ゴール前での勝負強さが見られ、巧みなポジショニングと瞬発力を活かして、少ない隙を突いて得点を狙う場面があります。攻撃面で目立つ存在となっている一方、守備時には前線からのプレッシングにも参加し、守備でもチームを支えています。
NACK5スタジアム大宮の魅力

RB大宮アルディージャのホームスタジアムである「NACK5スタジアム大宮」は、さいたま市大宮区に位置するサッカー専用スタジアムです。1960年に開場した、日本で最も古いサッカー専用スタジアムとして知られています。収容人数は約1万5千人とコンパクトながら、スタンドがピッチを囲むように設計されており、観客との距離が非常に近い点が特徴です。
座席はチームカラーのオレンジで統一され、試合時にはスタンド全体が鮮やかに染まります。特にゴール裏のサポーター席は声援とチャントが響き渡り、スタジアム全体を包み込むような一体感を生み出しています。
アクセス方法は、JR大宮駅東口から徒歩約20分。東武野田線の大宮公園駅や北大宮駅からも徒歩圏内です。かつてこのスタジアムでは、浦和レッズとの「さいたまダービー」が開催され、スタンドが大いに盛り上がりました。現在は対戦機会が異なるカテゴリーにありますが、その記憶は多くのファンの心に残っており、クラブはそのような舞台に戻ることをめざしています。試合観戦時には隣接する大宮公園を散策したり、参道を通ってスタジアムに向かうルートもおすすめです。
試合観戦の際には、隣接する大宮公園を散策したり、参道を通ってスタジアムに向かうルートもおすすめです。
【じゃらん】有名温泉から穴場まで温泉旅館・ホテル5,000件以上が予約OK!J1昇格プレーオフへのラストスパート
Embed from Getty Images2025年シーズン、RB大宮アルディージャはJ1昇格を目標に戦いを続けています。シーズン序盤から自陣ポゼッションを基盤とした戦術を徹底し、守備面ではラインコントロールやセカンドボール対応など、組織的な動きが安定しています。
J1昇格争いは例年以上に混戦で、わずかな勝点差に複数クラブがひしめく状況。その中でRB大宮アルディージャはプレーオフ圏内を確保するだけでなく、自動昇格圏も視野に入れた位置を維持しています。
かつてJ1の舞台を経験し、降格の悔しさを味わったクラブとして、重圧の中でも着実に勝点を積み上げる姿勢が終盤戦の戦いでは際立ちます。選手たちは一戦一戦に集中し、勝負どころで結果を残す場面も増えています。クラブとして運営体制を新たにし再出発を果たした今季、RB大宮アルディージャの挑戦は、再び頂点を目指す象徴的なシーズンとなっています。J1昇格の可能性は十分にあり、多くのサポーターがその結末を見守っています。

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