Jクラブ相手に奮闘、筑波大学サッカー部ジャイアント・キリングの歴史

こんにちは、6月11日に天皇杯2回戦が行われます。毎回、Jリーグのクラブがアマチュアクラブに敗れるなどジャイアント・キリングが起こることで有名なこの大会ですが、今年も1回戦でJ2のRB大宮アルディージャが筑波大学に敗れるなどの波乱が起きています。過去にもJ1クラブを撃破してきた筑波大学、今回は筑波大学サッカー部のジャイアント・キリングの歴史を振り返ります。

2024年第104回大会　FC町田ゼルビア対筑波大学

2024年の第104回大会で筑波大学は、当時J1で首位に立っていたFC町田ゼルビアをPK戦の末に下すジャイアント・キリングを達成しています。この試合では前半に町田が先制するも粘りを見せる筑波大学が後半終了間際にU23日本代表FW内野航太郎のゴールで同点とし延長戦に持ち込みます。試合は延長戦でも決着が着かずPK戦の末、筑波大学が勝利を収めました。

その後筑波大学は3回戦で柏レイソルに敗れるものの、J1首位相手に最後まで粘り強さを見せ同点としPK戦という形であれ勝利を挙げた戦いは多くのサッカーファンから称賛されました。

FC町田ゼルビア2024前半戦特集号 サッカー新聞エル・ゴラッソ保存版 （サンエイムック）

2017年第97回大会　ベガルタ仙台対筑波大学

2017年の第97回大会では、三笘薫（日本代表、現ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン）と中野誠也（現ヴァンラーレ八戸）の活躍が光りました。筑波大学は1回戦でYSCC横浜に勝利し2回戦ではベガルタ仙台と対戦、試合は前半6分に三笘がでドリブルで独走しそのままゴールを決め筑波大学が先制します。

その後仙台に同点とされ1対1で前半を終えると、後半に筑波大学は逆転されてしまいます。これがJクラブの強さかと思われましたが、65分にはコーナーキックから中野のゴールで同点とすると73分には三笘がまたもゴールを決め逆転。試合はそのまま3対2で終了し筑波大学がジャイアント・キリングを達成しました。

続く3回戦では中野の2得点でアビスパ福岡に2対1と勝利。その後の4回戦で大宮アルディージャに敗れるものの2戦続けてJクラブを撃破するという偉業を達成しました。なお、この大会5得点を挙げた筑波大学FW中野はウーゴ・ヴィエイラ（2017~2018横浜F・マリノス所属）と並び大会得点王を獲得しています。三笘はこの大会での活躍などから大きな注目を浴びその後の活躍はサッカーファンならご存知の通りです。

J1クラブにも互角の戦い、筑波大学強さの秘訣

これまで何度もJリーグのクラブを撃破してきた、筑波大学。その強さは柔軟な戦い方と学生コーチにあります。相手のFWに対応するための守備布陣の変更や、試合終盤においてリスクを冒す攻撃的な布陣の導入など、状況に応じた対応が際立っていて柔軟な戦術変更がジャイアントキリングを可能にする鍵となっています。

また、筑波大学には”学生コーチ”が存在しチームにとって重要な役割を果たしています。2024年の天皇杯では大学4年生の戸田伊吹コーチが指揮を執り、細かなトレーニングメニューや試合中の細かい戦術変更、ハーフタイムでの修正などが功を奏しJ１町田を破るジャイアント・キリングを達成しています。学生コーチという組織内育成が、選手たちの成長を促し、チーム全体を大きく底上げしていると言えるでしょう。

2025年の天皇杯2回戦で筑波大学は6月11日にJ2のVファーレン長崎と対戦します。1回戦に引き続きまたもJクラブを撃破するのでしょうか。天皇杯はスカパーが生中継します、Vファーレン長崎と筑波大学の1戦は6月11日19時キックオフです。