平和への祈りを世界に発信し続ける街・長崎。その地で生まれたV・ファーレン長崎は、地域の希望と誇りを背負って戦うクラブです。港町の穏やかな空気と、サポーターの熱い声援に包まれながら、チームはJ1復帰という明確な目標に向けて前進を続けています。この記事では、V・ファーレン長崎の歴史、2025年の戦術や、新スタジアムPEACE STADIUM Connected by SoftBankの魅力、2025年終盤のJ1昇格に向けた戦いを展望します。
V・ファーレン長崎の歴史
Embed from Getty Images(V・ファーレン長崎 2014年)
V・ファーレン長崎は2005年に設立され、九州リーグから、JFL(ジャパンフットボールリーグ)を経て、2012年にJFLを優勝、翌2013年にJ2へ昇格しました。Jリーグ参入後は高木琢也監督のもとで上位争いを展開してきました。
ところが、2017年シーズン開幕前にはクラブの経営問題が発覚。この経営危機を救ったのが長崎県佐世保市に本社を置く「ジャパネットホールディングス(ジャパネット)」です。ジャパネットグループの出資によりクラブは子会社化され、経営基盤の安定化が図られました。その結果、V・ファーレン長崎は2017年、クラブ史上初のJ1昇格を果たしました。
2018年のJ1初挑戦では最下位に終わり1年で降格しましたが、以降もJ1復帰を目指しクラブは強化を続けています。2024年にはJ2で3位となり、昇格プレーオフに進出しました。さらに、2024年には長崎スタジアムシティ内に「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」が完成。クラブの運営環境や設備は大きく整備されました。
2025年の戦術と注目選手
Embed from Getty Images(マテウス・ジェズス選手)
2025年のV・ファーレン長崎は、3バックと4バックを対戦相手や状況に応じて使い分けています。守備時にはウイングバックを下げて5バックに変化し、攻撃時には2シャドーと中盤が絡む多層的な構造を作ります。中盤の厚みと前線の流動性を生かすことで、相手に的を絞らせない攻撃を展開しているのが特徴です。以下の3選手が、2025年の戦術を支える中心的存在です。
山口蛍(MF)
MF山口蛍選手は、中盤のバランサーとして攻守の両面で重要な役割を担っています。豊富な運動量とポジショニングの巧さでセカンドボールを拾い、前線への正確な縦パスで攻撃を活性化させます。守備では、インターセプト総数がJ2リーグトップを記録(11月8日時点)しており相手の攻撃を未然に防ぐ読みの鋭さが際立ちます。
翁長聖(MF)
6年ぶりに長崎に復帰したMF翁長聖選手は、左右両サイドで起用できる万能型のMFです。高い走力を武器に攻守をつなぎ、攻撃時には鋭いクロス、守備時にはハードワークで貢献します。中盤のつなぎ役としてバランスを保ちながら、状況に応じて前線に顔を出す柔軟さも持ち味です。長崎のサッカーをよく知る選手として、チームの連動性を支えています。
マテウス・ジェズス(FW)
今季チームの得点源として活躍するのがFWマテウス・ジェズス選手です。ポストプレーと裏抜けの両方に優れ、前線でボールを収めながら味方を生かすことができます。強靭なフィジカルと正確なシュート技術を兼ね備え、決定力の高さでチームを牽引。2025年はここまで、J2リーグトップの18ゴールを挙げ、得点ランク単独トップ(得点数、得点ランキングいずれも11月8日時点)の活躍を見せています。
観戦も宿泊も一体化!長崎スタジアムシティの魅力を探る

V・ファーレン長崎の新たな本拠地「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」は、2024年にオープンした最新のサッカー専用スタジアムです。収容人数は約2万人で、ピッチと観客席の距離が非常に近く、臨場感あふれる観戦体験を楽しめます。
スタジアムは「長崎スタジアムシティ」内に位置し、ホテル、商業施設、温泉、レストランなどが一体となった複合開発エリアとして整備されています。長崎駅から徒歩約10分とアクセスも良好で、試合観戦と観光を組み合わせた滞在がしやすい環境です。
なかでも注目されているのが、「スタジアムシティホテル長崎」です。スタジアムと一体構造になっており、一部の客室からはピッチ全体を見渡せる「スタジアムビュー」が楽しめ、日本初の“サッカースタジアム併設ホテル”として話題を集めています。
ホテル内には温泉、プール、サウナ、フィットネスなどの充実した設備が整い、観戦後にゆっくりとくつろげます。地元食材を使ったレストランや、試合後に利用できるバーも人気です。観戦旅行で訪れる人には、試合翌日にチェックアウトできる宿泊プランが好評です。試合観戦だけでなく、滞在そのものを楽しめる施設が整ったPEACE STADIUMと長崎スタジアムシティ。クラブの未来を支える“街づくりの拠点”としても注目されています。
【ヤフートラベル】取り扱い施設数が約17000施設!!国内最大級宿泊予約サイトJ1昇格に向けて、勝負のラストスパート
Embed from Getty Images2025年シーズンのV・ファーレン長崎は、J1昇格を視野に入れた戦いを続けています。ここまで勝ち点を着実に積み上げ、残り試合の結果次第では、J2優勝や自動昇格の可能性を残しています。
特に注目されるのは、11月23日に予定されている水戸ホーリーホック戦です。この試合は昇格を懸けた直接対決として大きな意味を持ちます。過去のシーズンでは守備の不安定さが昇格を逃す要因となっただけに、今季はセットプレーとカウンター対応の精度向上がカギを握ります。一方、攻撃陣は安定して得点を重ねており、試合の主導権を握る展開が増えています。
シーズン終盤の一戦一戦が昇格を左右するなか、求められるのは「勝ち点を取りこぼさない戦い方」です。自動昇格を狙う姿勢を貫き、悲願のJ1復帰を果たすことができるか。V・ファーレン長崎の真価が問われる、まさに勝負のラストスパートが始まります。

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