群馬県を本拠地とするザスパ群馬は、2005年にJリーグへ加盟しました。2024年シーズンのJ2降格を経て、今季は再出発の年となり、若手の台頭とベテランの融合、そして攻撃的なサッカーを掲げて新たな挑戦を続けています。本記事では、クラブの歴史、戦術、注目選手、スタジアム観戦の魅力まで、サッカー観戦初心者にもわかりやすく紹介します。
ザスパ群馬の歴史
Embed from Getty Imagesザスパ群馬の前身は、1995年に「リエゾン草津」として誕生したクラブです。地域の社会人チームとして活動を始め、2002年に「ザスパ草津」へ改称しました。クラブ名の由来は温泉の「スパ」と草津町にちなんだものですが、サッカーを通じて県全体を盛り上げる意図も込められていました。
2005年、J2リーグ昇格を果たし、北関東初のJクラブとして注目を集めます。初年度は最下位に沈むなど苦しい船出でしたが、以降は10年以上にわたりJ2で戦い続け、地元に定着しました。2013年には、「ザスパクサツ群馬」へ名称を変更。運営体制や拠点も前橋市を中心に再構築し、地域連携を強化しました。その後、2024シーズンよりチーム名は変わらないものの、呼称を「ザスパ群馬」としてブランドを刷新しました。
2017年と2024年には、2度のJ3降格を経験。特に2024年はシーズン終盤まで残留争いが続き、最終的に自動降格が決定。2025年は、“再起”をスローガンに掲げています。アカデミー改革やトレーニング施設の整備など、長期的な基盤づくりにも取り組み、群馬県全体のクラブとして再スタートを切りました。
2025年の戦術と注目選手

2025シーズンのザスパ群馬は、攻撃的なスタイルを打ち出しています。主に3−4−2−1を採用し、サイドを起点としたテンポのある攻撃を重視。中盤でのプレス強度とセカンドボール奪取からショートカウンターを狙う戦い方が中心です。
守備面では、前線からのプレッシングや全体の連動性を高めることが課題とされ、失点数の減少に向けた改善が進められています。攻撃力強化をテーマに、ボール保持からの崩しと切り替えの速さを両立するサッカーを志向しており、“再起の年”にふさわしい積極的な戦いが続いています。2025年のザスパ群馬の注目選手は以下の3人です。
青木翔大
FW青木翔大選手は、1990年生まれのベテランFW。2019年から2021年にもザスパ群馬(当時:ザスパクサツ群馬)でプレーし、2025年に復帰しました。ポストプレーを得意とし、前線でボールを収める技術とゴール前での落ち着きが持ち味です。味方を生かす動きも多く、攻撃の起点としてチームに安定感をもたらしています。2025年はチームトップの6得点(10月19日時点)を記録しており、攻撃の中心を担う選手です。
西村恭史(MF)
MF西村恭史選手は、清水エスパルス、ファジアーノ岡山などでプレーした経験を持ち、2025年にザスパ群馬へ加入。豊富な運動量と展開力を併せ持ち、守備から攻撃への切り替えをスムーズに行える選手です。縦パスやスルーパスの精度も高く、ビルドアップの起点としてチームのテンポを作り出します。中盤の要として、2025年のザスパには欠かせないピ選手です。
安達秀都(MF)
ヴィッセル神戸から育成型期限付き移籍で加入した、MF安達秀都選手は、2004年生まれの若手MFで、今季注目株の一人。170cmと小柄ながらボール扱いの技術が高く、狭いエリアでも冷静にプレーできるセンスがあります。視野が広く、ショートパスでテンポを作るタイプ。守備でも粘り強く、若手ながら戦術理解度の高さを見せています。チームの将来を担う存在として、今後の成長に期待がかかります。
正田醤油スタジアム群馬:湯揉みの声響くホームスタジアム
Embed from Getty Imagesザスパ群馬のホームは、群馬県前橋市敷島町にある「正田醤油スタジアム群馬(収容約15,000人)」。陸上トラック付きの球技場であり、スタンドとの距離感がほどよく、観戦初心者でも違和感なく観やすい構造です。アクセスはJR前橋駅からバスで約15分、「敷島公園バスターミナル」または「競技場入口」で下車が便利です。
試合開催日にはシャトルバスも運行され、初めて訪れる観客でもアクセスしやすくなっています。車の場合、観戦者専用駐車場は設けられておらず、周辺の一般駐車場や河川敷等の駐車場を利用することが推奨されています。
スタジアムの名物とされる応援パフォーマンス「湯揉み」は、サポーターが湯もみ板を模した動きを取り入れ、選手を鼓舞する独自スタイルとして知られています。観客席は、ゴール裏では熱気ある応援が展開され、バックスタンドでは比較的落ち着いた観戦が可能です。

J3残留争いの正念場、2025年終盤戦の展望
Embed from Getty Images2025年シーズンも終盤に差しかかり、ザスパ群馬は現在、JFL自動降格圏と勝点差が僅かで、苦しい戦いを強いられています。J3残留争いの中で重要となるのは、勝点の積み上げと試合運びの安定です。序盤から一定の攻撃力を見せてきた一方で、守備面での連係や終盤の試合管理には改善の余地があります。
ここからの戦いでは、同じく下位に低迷するクラブとの対戦も残されています。同じ残留争いをしているクラブとの直接対決でいかに勝点を積み上げるか、限られたチャンスを確実に活かす事ができるかが命運を握るでしょう。苦しい状況の中でも、組織としての結束と積極的な姿勢を維持できるか。終盤戦のザスパ群馬の戦いに注目が集まります。
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