ブラウブリッツ秋田は、秋田県全域を拠点に着実な歩みを重ねてきたクラブです。前身のTDKサッカー部から数十年にわたり地域サッカーを支え、2010年に現名称へ移行しました。
2020年に悲願のJ2昇格を果たして以降は、地域企業との協力や育成方針を土台に、安定したクラブ運営を続けながらリーグを戦ってきました。ここでは、ブラウブリッツ秋田の歴史や2025年の注目選手、ホームのソユースタジアムの魅力などをお伝えしていきます。
ブラウブリッツ秋田の歴史
Embed from Getty Images(ブラウブリッツ秋田 2017年)
ブラウブリッツ秋田は、1965年に企業チーム「TDKサッカー部」として発足したのがルーツです。東北社会人リーグやJFLで長く活動し、地域サッカーを支え続けてきました。2010年には「ブラウブリッツ秋田」へ名称変更。クラブ名はドイツ語で「青い稲妻」を意味し、県民の情熱と俊敏さを表現しています。
JFL時代は財政基盤の整備に苦しむ時期もありましたが、2017年には初のJ3優勝を果たします。しかし当時はJ2ライセンスを持たず、昇格は叶いませんでした。この悔しさをバネに体制を立て直し、2020年には再びJ3を制覇。念願のJ2昇格を果たしました。
昇格後はリーグ屈指の堅守を発揮しつつ、観客動員やスポンサー拡充といった運営面の課題に取り組みながら歩みを進めています。現在では「地域リーグから成り上がったクラブ」の代表例として位置づけられており、秋田県にとっても重要なスポーツ文化の一角を担う存在になっています。
2025年の戦術と注目選手

2025年のブラウブリッツ秋田は4-4-2のシステムを採用しています。サイドを活用して縦に速く攻め、加えてセットプレー(コーナーキックや間接フリーキックなど)で得点を量産する比率が高いのが今季の特徴です。攻撃パターンの統計では、全体得点のうち47.5%の19得点がセットプレーが起点の得点で、チーム戦術の重要な柱になっています。
また、今夏にはリーグトップクラスの得点力を見せていたFW、小松蓮選手がJ1ヴィッセル神戸へ完全移籍する動きもあり、攻撃面がチームの焦点になりました。2025年のブラウブリッツ秋田の注目選手は以下の3人です。
村松 航太(DF)
DF村松航太選手は、、スピードを活かしつつ、ビルドアップ場面での落ち着きが目立つサイドバックです。対人での粘り強さと攻撃参加のバランスを持ち、クロス対応や1対1の守備でチームに安定感を与えます。2025年はこれまで6アシスト(9月末時点)と、攻撃面での活躍も顕著です。
諸岡 裕人(MF)
MF諸岡 裕人選手は、運動量豊富で中盤のセカンドボールの回収に強い選手です。チャレンジ&カバーの意識が高く、中盤での接触をものにして素早く攻撃へつなげる役割を担います。守備リズムを作る能力と、前線への供給力でチームの攻守転換を支えます。
梶谷 政仁(FW)
FW梶谷 政仁選手は、スピードとポジショニングに優れ、スペースを突いて仕掛けるタイプのストライカーです。チャンスメイクとフィニッシュの両面で貢献できる選手で、チームの得点源の一角を担う存在です。小松選手の移籍により攻撃面でのさらなる活躍が期待されます。
クラブを支える舞台 ソユースタジアム

(写真はイメージです 実際のスタジアム画像ではありません)
ブラウブリッツ秋田のホームスタジアムは秋田市・八橋運動公園にあるソユースタジアム(通称ソユスタ)です。秋田駅からは秋田中央交通の路線バスで約15分、バス停からは徒歩5分程度でアクセスできる利便性があり、市街地からのアクセスもしやすい立地です。試合当日は、子供向けのイベントなども開催され、試合前から多くのサポーターでにぎわいを見せます。
スタジアムグルメは地元の食材を活かしたメニューが人気で、由利牛を使った肉巻ききりたんぽや地元クラフトビール、季節限定の温かいメニューが試合日に並びます。試合前後にスタジアム周辺の飲食店で秋田名物を楽しめる点も訪問の魅力です。クラブは試合ごとの駐車場案内やキャッシュレス決済の案内を出しているため、観戦前に公式ページの試合情報を確認するのが便利です。

ブラウブリッツ秋田の挑戦 ― J1昇格と地域活性化の両立を目指して
Embed from Getty Imagesブラウブリッツ秋田は、2014年のJリーグ参入以降、常に挑戦を続けてきました。2025年シーズンも守備の堅さとセットプレーの得点力を軸に、J2で安定した戦いを展開しています。
また、その強みはピッチ内だけにとどまりません。地域との強い結びつきはクラブの大きな特徴であり、スタジアムでの応援はもちろん、イベントや学校訪問といった活動を通じて、地元の人々に「自分たちのクラブ」として浸透してきました。
観客動員数も着実に増えており、スタジアムを拠点にした街づくりの可能性も広がっています。今後は若手の育成やクラブ運営の安定化を進めながら、J2での定着からさらなる高みを目指すことが求められます。さらに、J1昇格はクラブにとって大きな夢であり、そのためには安定した勝ち点の積み重ねと攻撃力の底上げが不可欠です。「地域の誇り」としてクラブを成長させていけるかどうかが、今後のブラウブリッツ秋田の未来を占う大きなポイントになるでしょう。
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