四国・徳島を本拠地とする徳島ヴォルティスは、地域に根差したクラブ運営と独自の育成方針で着実に存在感を高めてきました。過去にはJ1昇格を経験しながらも厳しい戦いを強いられてきましたが、現在は再びJ1復帰を狙うクラブとして注目を集めています。本記事では徳島ヴォルティスの歴史から戦術、スタジアム情報まで、幅広く紹介します。
徳島ヴォルティスの歴史
Embed from Getty Images徳島ヴォルティスの起源は1955年に創設された「大塚製薬サッカー部」に遡ります。企業チームとして地域リーグを戦い、長年にわたってアマチュアシーンで活躍してきました。1990年代には日本フットボールリーグ（旧JFL）に参戦し、安定した戦績を残す中で、Jリーグ参入を視野に入れるようになります。2005年には、「徳島ヴォルティス」としてJ2に参入。四国初のJリーグクラブとして大きな注目を浴びました。
クラブは地方ならではの財政的な課題を抱えつつも、育成と堅実な補強で戦力を整え、着実に力を付けてきました。2000年代後半からは同じ四国の愛媛FCとの「四国ダービー」が定着し、地域のサッカー熱を高める存在に。四国の誇りを懸けた戦いは、順位に関係なく毎年大きな注目を集め、サポーターの心を熱くしてきました。
そして2014年、クラブは初のJ1昇格を果たします。しかし、トップリーグでの戦いは厳しく、初挑戦のシーズンは勝ち点を伸ばせず1年でJ2へ降格。その後も粘り強く戦い続け、2020年にはリカルド・ロドリゲス監督の下で再びJ1昇格を実現しました。攻撃的でパスを重視するサッカーは多くのファンを魅了しましたが、この挑戦も1年で幕を閉じ、再びJ2へ。
それでも徳島ヴォルティスは地域との結びつきを強め、若手育成に力を注ぐことで着実に成長を続けています。浮き沈みを繰り返しながらも、挑戦をやめない姿勢こそがクラブのアイデンティティであり、四国サッカーの象徴です。
2025年の戦術と注目選手
徳島ヴォルティスの2025年シーズンは、ポゼッションと守備のバランスを重視した3バックを採用。中盤での安定感を保ちつつ、両ウイングバックのアタックを活かしてゴールを狙う戦い方が特徴です。守備ではコンパクトなブロックを築き、相手の攻撃を中盤で食い止める一方、攻撃ではショートパスと縦へのスピードを織り交ぜた展開で相手ゴールを脅かします。2025年の注目選手は以下の3人です。
エウシーニョ（DF)
DFエウシーニョ選手は、川崎フロンターレや清水エスパルスなどでもプレーした、経験豊富な右サイドバックです。守備の安定感と攻撃参加の両面でチームに貢献。クロスの精度が高く、セットプレーの局面でも重要な役割を担います。ベテランらしい安定したプレーで最終ラインを引き締めます。
児玉 駿斗（MF)
MF児玉駿斗選手は、166cmと小柄ながら、中盤のダイナモとして豊富な運動量を誇り、攻守のバランスを保つキーマン。パスセンスと守備の切り替えの速さでチームを支え、攻撃の起点となる選手です。また、セットプレーのキッカーとしても重要な役割を果たしています。
ルーカス・バルセロス（FW)
FWルーカス・バルセロス選手は、ブラジル出身のストライカーで、スピードと決定力が最大の武器。ゴール前での冷静なフィニッシュワークに加え、裏への抜け出しも鋭く、徳島の攻撃を牽引する存在です。途中出場でも試合の流れを変えることが出来、2025年はここまでチームトップの10得点を挙げています。
熱気あふれる鳴門の聖地、ポカリスエットスタジアム
徳島ヴォルティスのホームスタジアムは徳島県鳴門市に位置する「鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム」です。収容人数は約17,000人で、四国最大級の規模を誇ります。試合当日のスタジアムは青を基調としたクラブカラーに染まり、ホームゲームの熱気を存分に感じられる空間となります。
アクセスはJR鳴門駅から路線バスで約15分、タクシー利用で10分程度。徒歩でも25分前後で到着できます。試合当日は臨時バスが運行されることもあり、公共交通機関でのアクセスが便利です。スタジアム周辺には駐車場が整備されていますが、台数に限りがあるため、なるべく乗り合わせの来場が推奨されています。
スタジアムグルメも見どころの一つ。スタジアム内コンコースや場外には、様々な飲食店が出店し、ヴォルティス屋台村と呼ばれています。徳島ラーメンをベースにしたメニューや、地元特産のすだちを使った爽やかなドリンクなど、地域の味覚を楽しむことができます。サッカー観戦とともにご当地グルメを味わえるのは、地方クラブならではの魅力です。試合観戦に訪れる際は、ぜひグルメブースもチェックしてみてください。
ポカリスエットスタジアム周辺のおすすめホテル
J1昇格を懸けた徳島ヴォルティスのラストスパート
Embed from Getty Images徳島ヴォルティスは、これまで幾度となく挑戦と苦難を繰り返しながら、地域に支えられて歩んできました。2025年シーズンもその姿勢は変わらず、序盤から安定した戦いを見せ、現在はJ1昇格を狙える順位にいます。再びJ1の舞台に戻るという現実的な目標が、サポーターの期待を一層高めています。残り試合では、同じくJ1昇格を狙うライバルクラブとの直接対決が続きます。
一戦ごとに昇格の可能性を左右する緊張感の中、選手たちの経験と集中力が試される局面です。苦しい状況を乗り越える強さ、そしてクラブを支える声援が一体となったとき、徳島ヴォルティスは大きな飛躍を遂げるでしょう。2025年シーズン終盤戦、昇格レースはますます激しさを増しています。徳島ヴォルティスが築いてきた歴史と地域との絆を武器に、再びJ1の舞台に立つことが出来るか。徳島の挑戦は、これからも続いていきます。
コメント