ヴァンフォーレ甲府は、1999年にJリーグに参入しました。以降、昇格・降格や経営の苦境を乗り越えながら、戦い続けています。2025年シーズンはJ1昇格が叶いませんでしたが、来季の飛躍に向けた基盤を築いています。ここでは、ヴァンフォーレ甲府の歴史、2025年の戦術や注目選手、ホームスタジアムの魅力、2025年終盤戦と2026年シーズンに向けた展望をお伝えします。
ヴァンフォーレ甲府の歴史
Embed from Getty Images(ヴァンフォーレ甲府 2011年)
ヴァンフォーレ甲府は、山梨県甲府市を拠点とするクラブで、1999年にJリーグへ加盟しました。クラブ名「ヴァンフォーレ(Ventforet)」は、フランス語で「風」を意味する「Vent」と「森」を意味する「Forêt」を組み合わせた造語で、武田信玄の「風林火山」に由来しています。この名には、地元・山梨の誇りとともに、力強くも落ち着いたチームを目指す思いが込められています。
クラブの前身は1965年に創設された「甲府クラブ」で、地元社会人チームとして活動していました。地域リーグやJFLを経て、1999年にJリーグ参入を果たしました。 Jリーグ参入後は、観客動員の伸び悩みや資金面での経営難に直面しました。特に2000年シーズンには連敗が続き、存続の危機とも言える状況に追い込まれた歴史があります。
そのような逆境の中、2005年には、当時J1所属の柏レイソルと入れ替え戦を戦い、勝利を収めてJ1昇格を果たしました。
また、クラブ初の国内カップタイトルとなった2022年の天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会 優勝により、2023年にはJ2在籍中にも関わらず国際大会である AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を得たという歴史的な成果を挙げました。
2025年の戦術と注目選手

2025シーズン、ヴァンフォーレ甲府は「3-4-2-1」を基盤とした布陣を採用し、守備を重視しつつも攻撃への切り替えを明確な戦術として取り入れています。守備ラインは3バックで構築され、守備からのリスタートや組み立てに特徴があります。攻撃面ではセットプレーの得点割合が全得点のうち38.9%を占めており(11月6日時点)、FK・ロングスロー・CKを活用したチャンスメイクが重要な得点源となっています。
また、ボール保持からの組み立てだけでなく、相手の守備の隙を突くカウンターも戦術の柱となっており、左右のウイングバックの動き出しを活用するスタイルが特徴です。 2025年のヴァンフォーレ甲府の注目選手は以外の3名です。
土屋 巧(DF)
DF土屋巧選手は、堅実な守備対応と対人プレーの強さを持ち味とするディフェンダーです。主に3バックの一角としてプレーし、カバーリング能力と球際の粘り強さで最終ラインを支えます。守備から攻撃への展開にも意識が高く、ビルドアップ時には冷静な判断で中盤へのつなぎ役を担います。
鳥海 芳樹(MF)
MF鳥海 芳樹選手は、165cmと小柄ながら抜群の技術とスピードを持ち、中央・右サイドから動き出しや、ゴール前への侵入やチャンスメイクを得意とします。2025年シーズンはチームトップとなる9得点(11月6日時点)を記録。チームの攻撃の核として機能しています。 セットプレーの関与やサイドからの仕掛けの局面で存在感を放っていて、甲府の昇格を目指すうえで欠かせない選手です。
孫 大河(DF)
DF孫大河選手は、 187cm・78kgという恵まれた体格を持ち、空中戦と対人守備に強みを発揮するセンターバックです。左利きで、ビルドアップの起点としても信頼されており、ロングフィードや縦パスで前線へ正確にボールを供給する技術を備えています。守備ではポジショニングの的確さと冷静な判断が持ち味で、相手の攻撃をいち早く察知してラインを整えるなど、統率力にも優れます。
JIT リサイクルインクスタジアムで刻まれるヴァンフォーレ甲府の挑戦

ヴァンフォーレ甲府のホームスタジアムは「JIT リサイクルインク スタジアム」(正式名称 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場)です。収容人数はおよそ17,000人で、陸上トラックを有するスタジアムです。アクセス方法は、甲府駅前南口から「小瀬スポーツ公園行き」のバスで約30分。試合当日にはシャトルバスも運行されます。駐車場も完備されており車でのアクセスも可能ですが、台数に限りがあるため、公共交通機関での来場が推奨されています。
スタジアムの特徴は、ピッチを囲む形で両サイドスタンドが低めに設計されており、攻撃時に観客の声援がダイレクトに選手へ届く構造です。また、ナイトゲームでは照明演出も活用され、「風林火山」の旗印をモチーフにしたデザインと相まって、試合前の入場演出や応援の一体感が魅力です戦術の意図や選手同士の連携を間近で見たい場合はベンチ側にあたるメインスタンド中央付近の座席がお勧めです。ピッチ全体を見渡したい方にはバックスタンドが向いており、ここからは山並みを背景にした試合風景を楽しむことができます。より熱い応援を体感したい場合はホームゴール裏が最適で、ヴァンフォーレサポーターによるチャント(応援歌)の迫力がスタジアム全体を包みます。
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Embed from Getty Imagesヴァンフォーレ甲府はこれまで幾度となく逆境を乗り越え、J1昇格、天皇杯優勝、ACL出場といった成果を積んできました。2025シーズンはJ1昇格こそ果たせなかったものの、守備の安定や攻撃の多様化、若手・中堅選手の成長など、チームとして確かな前進が見られました。
来シーズンに向けては、2025年に築いた守備の安定をさらに高めるとともに、攻撃面での得点力向上が鍵を握ります。堅実な守備から素早く攻撃へ転じるスタイルを軸に、セットプレーやカウンターの精度を高めることで、勝利を積み重ねる戦いが期待されます。
また、ホームのJIT リサイクルインクスタジアムでは、一体感のある応援がチームを後押ししており、その“ホームの強み”をいかに発揮できるかも重要なポイントです。2025年終盤で見えた成果と課題を糧に成長を重ねていけば、ヴァンフォーレ甲府が再びJ1の舞台に立つ日も遠くはないでしょう。

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