山口県を本拠地とするレノファ山口FCは、2014年にJリーグへ参入して以降、J2リーグで着実に力を蓄え、攻守にバランスの取れたサッカーを展開しています。地域のユース出身選手を中心に、県外からの補強も組み合わせた戦力構築で、観客動員数の増加にもつなげています。クラブは、学校や自治体と連携したイベントを定期的に実施。スタジアム観戦だけでなく、地域全体でサッカーを楽しむ文化の醸成にも貢献しています。ここではレノファ山口の歴史や注目選手、ホームスタジアムを紹介していきます。
レノファ山口の歴史
Embed from Getty Images(レノファ山口 2015年)
レノファ山口の歴史は1949年に設立された、「山口県教員団」が前身です。その後、中国リーグや山口県リーグなどを経て、2015年にJリーグへ参入しました。参入初年度となった2015年は、FW岸田 和人選手(2014年~2022年在籍)がシーズン通算32得点を挙げる活躍を見せ、J3得点王を獲得。攻撃的なサッカーで圧倒しいきなりのJ3優勝を成し遂げます。
2016年にはJ2へ昇格。昇格初年度の2016年は12位と健闘するも、2017年は22チーム中20位と苦戦14位、それでも地道な努力と補強戦略が実を結び、2018年には初の1桁順位となる8位でシーズンを終えています。
レノファ山口はこれまで、J2優勝争いや、J1昇格争いに絡むようなシーズンは多くありませんが、地元ファンの応援を受けながら着実に実績を積み上げ、山口県のプロサッカー界の中心として大きな注目を浴びています。

レノファ山口の戦術と注目選手
Embed from Getty Images(亀川諒史選手 V・ファーレン長崎在籍時)
2025年のレノファ山口は、4-4-2と3−4−2−1のシステムを主に採用しています。守備時は中盤の2枚がバランスを取り、相手攻撃を中盤で抑える「ハーフラインプレス」を多用します。攻撃時にはサイドバックやウイングバックが積極的にオーバーラップし、クロスでFWを支援。セットプレーも重要な得点源として活用しています。ボール保持率を意識しつつ、効率的なカウンターでゴールを狙うチーム構成です。試合中のポジショニング変更や、相手のフォーメーションに応じた戦術変更も特徴で、柔軟性を備えています。
亀川諒史(DF)
2025年のキャプテンを務めるDF亀川諒史選手は、スピードを活かした攻撃参加が持ち味のサイドバックです。サイドからのクロスでチャンスを演出し、3バック時にはウイングバックとしてもプレーしています。現在は、怪我により戦列を離れていますが、早期の復帰が期待されます。
岡庭愁人(DF)
DF岡庭愁人選手は、左右どちらでもプレーできる選手です。公式での登録はDFですが、ウイングバックとしてプレーすることも多く、クロスやドリブルで攻撃の中心を担います。10月5日時点のデータでは、クロス数はリーグ2位、アシストはチームトップの3アシストを記録しています。
有田稜(FW)
モンテディオ山形から期限付き移籍にて加入した、FW有田稜選手はチームの攻撃を牽引するセンターフォワードです。身長185cmのフィジカルとスピードを兼ね備えています。クロスからの得点も多いことから攻撃の多様性に貢献。裏への抜け出しやワンタッチでのフィニッシュも得意で、相手ディフェンスに常にプレッシャーをかける存在です。攻撃戦術の中心として不可欠な選手です。
ホーム、維新みらいふスタジアム|アクセス・駐車場・グルメ情報まとめ
Embed from Getty Imagesレノファ山口のホームスタジアムは山口市の「維新みらいふスタジアム」(旧・維新百年記念公園陸上競技場)です。収容人数は約20,000人と中規模のスタジアムです。アクセスは、JR大歳駅から徒歩約12分、矢原駅から徒歩約16分 と公共交通機関でもアクセスしやすい立地にあります。車で訪れる場合は、湯田温泉スマートIC(中国自動車道)から約10分ほど。試合日には周辺に臨時駐車場が開設されることもあり、クラブ公式サイトでの事前確認が推奨されます。駐輪場も整備されており、地元ファンには自転車や徒歩で来場する姿も多く見られます。
また、スタジアムグルメもレノファ山口の大きな魅力の一つです。場内外には、ホルモン焼き・瓦そば・地元産スイーツやフルーツドリンク など、地元色豊かなメニューが並びます。試合ごとに「グルメイベント」や「キッチンカー出店」も行われ、観戦だけでなく“食の楽しみ”も味わえる空間です。サポーター同士の交流や、家族連れでも楽しめる雰囲気づくりが意識されています。

山口の誇りを懸けた終盤戦への挑戦
Embed from Getty Imagesレノファ山口は、J2リーグの終盤戦に向けて正念場を迎えています。ここ数年は下位に沈むシーズンが続き、2025年は降格圏の19位(10月5日時点)と厳しい状況です。それでも、チームは若手と経験者が融合した粘り強い戦いで、残留を目指して戦い続けています。残り試合では、同じく残留を争うクラブとの直接対決も控えており、ここでどれだけ勝点を積み重ねられるかが問われます。
粘り強い姿勢、戦術理解の深化、そしてホームでの声援によって生まれる一体感が、チームの背中を押す原動力となっています。最後の笛が鳴るその瞬間まで、山口の誇りを胸に全員が走り続ける。ホームの力を背に、チームは再び希望の光を掴むことができるか。正念場を迎えるレノファ山口の戦いに、今こそ注目です。
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