静岡県磐田市を拠点とするジュビロ磐田は、サッカー王国・静岡を象徴するクラブのひとつです。Jリーグ初期には黄金期を築き、日本サッカーの発展を牽引しました。現在はその伝統を受け継ぎつつ、2025年シーズンでは再びJ1の舞台を目指して戦いを続けています。この記事ではクラブの歴史、戦術、注目選手、そしてホームスタジアムを紹介します。
ジュビロ磐田の歩みと黄金期
Embed from Getty Imagesジュビロ磐田は、静岡県磐田市を本拠地とするクラブで、その起源はヤマハ発動機サッカー部にさかのぼります。1994年にJリーグへ参入すると、堅実な守備と組織的なパスワークを軸に力を伸ばしました。1997年にはハンス・オフト監督のもとで初のJリーグ優勝を達成し、クラブの名を全国に広めました。攻撃の中心には名波浩選手の精度あるパスと中山雅史選手の得点力があり、翌1998年に加入した高原直泰選手が加わると、チームはさらに攻撃の厚みを増していきました。彼らが築いた1990年代後半から2000年代初頭にかけての黄金期は、ジュビロ磐田の歴史における象徴的な時代です。1999年にはリーグ、ナビスコカップ、アジアクラブ選手権を制し、国内外でタイトルを獲得しました。
その後は主力の移籍や世代交代の影響を受け、成績が安定しない時期も続きます。2013年にJ2へ降格し、2015年にJ1へ復帰。その後も昇格と降格を繰り返す厳しいシーズンが続きましたが、クラブは育成と補強の両面から再建を進めています。2020年代に入っても、ボール保持を重視した戦術やアカデミー出身選手の台頭など、クラブの方向性は一貫しています。ジュビロ磐田は、かつての栄光を土台に、再びJ1の舞台で戦う努力を続けています。
2025年の戦術と注目選手
Embed from Getty Images(松原后選手)
2025年のジュビロ磐田は、ボール保持を基盤とした戦いを続けています。中盤でのビルドアップから両サイドを経由してチャンスを作る展開が多く見られます。特に相手陣内でのパス交換が多く、攻撃時には幅を使って相手守備を揺さぶるのが特徴です。守備においても、ボールを奪った後に素早く攻撃へ転じる傾向が見られ、攻守の切り替えの速さが磐田のリズムを生み出しています。以下では、2025年シーズンにおける注目選手を3名紹介します。
渡邉りょう(FW)
FW渡邉りょう選手は、最前線で相手の背後を突く動きに優れたアタッカーです。鋭いスプリントとタイミングの良い抜け出しで、相手ディフェンスラインを何度も揺さぶります。クロスの合わせや裏への飛び出しに加え、守備時には最前線からプレスをかけてチームの守備を助ける場面も多く見られます。2025年シーズンは、攻撃の起点としてだけでなく決定力の面でも進化を見せており、2025年はここまで5得点(10月末時点)を記録しています
井上潮音(MF)
2025年7月にサンフレッチェ広島から期限付き移籍で加入した、MF井上潮音選手は、中盤でリズムを作るプレーメーカーです。相手のプレスをいなすボールコントロールと視野の広さを武器に、ビルドアップから攻撃の起点となる役割を担っています。短いパスのつなぎだけでなく、縦への速い展開にも積極的で、試合のテンポを調整する能力に長けています。攻守の切り替え局面でも高い運動量を見せ、チームのバランスを保つキープレイヤーです。
松原后(DF)
DF松原后選手は、攻撃的な左サイドバックとしてチームの幅を生み出す選手です。積極的なオーバーラップと高精度のクロスでチャンスを作り出し、サイドからの攻撃に厚みを加えています。守備では対人の強さとポジショニングの良さが光り、1対1の局面で安定感を見せています。試合を通じて高い集中力を保ち、攻守両面で安定したパフォーマンスを発揮しています。左サイドの主力として欠かせない存在です。
臨場感あふれる本拠地:ヤマハスタジアム
Embed from Getty Imagesジュビロ磐田のホームスタジアムは、静岡県磐田市に位置するヤマハスタジアムです。アクセス方法は、JR磐田駅から遠鉄バス「城之崎・東新町」方面行きに乗車し、「ヤマハ発動機前」停留所で下車、徒歩約3分で到着します。車での来場の場合はJR磐田駅から約10分。試合ごとに臨時駐車場が設けられ、事前の予約制で利用できます
収容人数は約15,000人。球技専用スタジアムのため、観客席とピッチの距離が非常に近く、選手の動きや声が間近に感じられます。メインスタンド中央付近は試合全体の流れを把握でき、初心者にもおすすめ。ゴール裏のホーム側は応援の熱量が高く、一体感を味わえます。アウェイサポーターはバックスタンド北側からの視界が良く、攻守の切り替えを見やすい位置です。スタジアム外周では地元飲食店による屋台やキッチンカーが並び、地元食材を使ったメニューも人気です。早めに来場して食事やグッズ購入を楽しむ観戦スタイルがおすすめです。
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Embed from Getty Images2025シーズンのジュビロ磐田は、J1昇格プレーオフ進出を現実的な目標として戦っています。上位2チームが自動昇格となる中、磐田は勝点差を詰めながらプレーオフ圏を維持する戦いが続いています。守備から攻撃への切り替えやボール保持の安定性など、戦術面の成熟が進む一方、試合終盤の失点対策や得点効率の改善が今後の課題とされています。ここを乗り越えられるかが、最終順位を左右するポイントになるでしょう。
また、若手と経験豊富な選手の融合が進み、戦力バランスの良さも見え始めています。プレーオフ出場を確実にするためには、残り試合での集中力維持と直接対決での勝利が不可欠です。磐田が再びJ1の舞台に立つ日が来るのか。その答えは、終盤戦の数試合に懸かっています。

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