香川県を本拠地とするプロサッカークラブ、カマタマーレ讃岐。1956年の創立以来、地域に根を張りながら、Jリーグ昇格を果たし、現在はJ3リーグで戦っています。クラブ名には「釜玉うどん」の“あたたかさ”と“親しみ”、イタリア語で海を意味する“マーレ (mare)”の澄んだ広がり、そして旧国名“讃岐”の誇りが込められています。2025年は戦術の進化、多彩な得点源の発掘、そして香川県立丸亀競技場への新たな呼び名変更とともに、クラブの歩みが改めて注目されています。この記事では、カマタマーレ讃岐の歴史、2025年の戦術と注目選手やホームスタジアムの魅力を紹介します。
カマタマーレ讃岐の歴史
Embed from Getty Images(カマタマーレ讃岐 2015年)
カマタマーレ讃岐は、1956年に香川県立高松商業高校(通称・高商)サッカー部OBによって「高商OBサッカークラブ」として創設されたのが始まりです。その後、四国サッカーリーグを経て2005年に「高松フットボールクラブ」へと名称を変更。2006年には新名称を公募し、「カマタマーレ讃岐」が選ばれました。これによりクラブは本格的にJリーグクラブを志すプロフェッショナル経営路線を歩み始めます。
2007年からは四国リーグで成果を挙げ、2013年には日本フットボールリーグ(JFL)で2位となり、J2最下位のガイナーレ鳥取との入れ替え戦の末、2014年からJ2リーグに参戦。しかしJ2では中位以下を行き来し、2019年にJ3へ降格。以降、J3での競争の中で再び上位を目指す苦難の道を続けています。
クラブ名の「カマタマーレ」の語源・意味は、香川の名物「釜玉うどん」の“釜玉(カマタマ)”と、イタリア語で「海」を意味する“マーレ (mare)”を組み合わせた造語であり、「讃岐」は香川県の旧国名を指します。釜玉うどんが地域の文化・日常の味であること、瀬戸内海をはじめとした海の風景が県民の生活に溶け込んでいること、それらを象徴的にクラブ名に取り入れることで、地域との結びつきとアイデンティティを表現しています。エンブレムにも、うどんと卵の黄身を思わせるサッカーボール、水色と黄色のストライプが採用され、地域性とクラブの独自性を強調しています。
2025年の戦術と注目選手

2025年シーズンのカマタマーレ讃岐は、特定のストライカーに依存することなく、チーム全体で得点を分散させる戦い方を志向しています。MF川西翔太などが5得点(9月20日時点)ですが、その他の選手も得点を挙げており、チーム全員で戦う姿勢が見られます。
システムは「3-4-2-1」を基本とし、シャドーが前線の間を埋める時には「3-4-1-2」のような形が出ることもあります。前線からのプレス時には「5-2-3」あるいは「3-4-3」に変形することがあり、守備ブロックを構築する際には「5-3-2」のような守備重視の布陣を敷く場面も見られます。
また、セットプレーからのチャンス、ショートカウンターの機会も見逃さず、多様な攻撃テーマを併用していることも特徴です。このように、総力をかけた守備のライン管理と中盤での繋ぎ、前線の選手による得点供給 。これらが2025年の讃岐の戦術的な柱となっています。2025年のカマタマーレ讃岐の注目選手は以下の3人です。
附木雄也(DF)
DF附木雄也選手は、安定した守備力と空中戦、対人での強さに加え、試合を締める存在としてチームに欠かせない存在です。守備だけでなく、積極的な攻撃参加も魅力で、2025年はここまで4得点(9月20日時点)を挙げています。
川西翔太(MF)
ガンバ大阪や大分トリニータなどでプレーし、豊富な経験を持つMF川西選手は讃岐の攻撃の起点となる選手です。得点を挙げる攻撃的ミッドフィールダーとしての役割が強く、2025年は現在まで5ゴールを記録(9月20日時点)。シュート本数、最後のパス(ラストパス)貢献でもチーム上位に位置しており、中盤から前線へのアシストやチャンスメイクを担います。
後藤優介(FW)
2025年にモンテディオ山形から加入したFW後藤優介選手は、チームトップタイの5得点を挙げているストライカーです。FWとしての決定力やシュート精度で存在感を発揮しており、ペナルティエリア外からのシュートなど多角的な得点パターンを持っています。
ホームスタジアム紹介:香川県立丸亀競技場の魅力
Embed from Getty Images香川県立丸亀競技場は、かつて「Pikaraスタジアム」の名称で親しまれていましたが、2025年8月末をもって現在の名称に正式に変更されました。観客収容数は約30,000人規模で、陸上トラックを備えた本格的な球技・陸上複合スタジアムです。スタンドは見晴らしが良く、ピッチとの距離感も比較的近いため、観戦者は臨場感を味わいやすい設計となっています。
アクセス方法は、JR予讃線「丸亀駅」が最寄り駅で、駅からはコミュニティバスなど公共交通機関が整備されており、「丸亀スタジアム(丸亀競技場)」下車後徒歩1分程度。また、車でのアクセスも可能で、駐車場の利用や近隣の交通規制情報を確認しておくと便利です。特に試合開始前後や終了後は混雑が予想されるため、時間に余裕を持った移動がお勧めです。スタジアムは晴天下、夕暮れ時などの景観も秀逸で、瀬戸内の海風を感じながらの観戦は特別な体験を提供します。

J3残留へ、現在の課題と展望:勝利への道を探る
Embed from Getty Images2025年シーズン、カマタマーレ讃岐は、残留争いに巻き込まれている状況が続いています。複数の得点源を持つ戦術を構築する中で、毎試合の失点を減らし守備の安定性を高めることが不可欠です。また、フォーメーションや布陣を対戦相手に応じて柔軟に変える能力、セットプレーやカウンター時の精度をより上げることが、勝利を拾う鍵となります。
スタジアムのネーミングライツを含めた地域との関係性、クラブアイデンティティの深化を背景に、ファンの期待だけでなく選手自身の精神的な支えとなる要素を育てていくことも重要です。今後の試合での一戦一戦が、クラブとしての未来を左右する節目になるでしょう。
コメント